こんなことを言ったら、
誰かに笑われるかもしれないけれど。
子育てをしていて、私が一番驚いたのは、
息子がまったく「空気を読まない子」だったことでした。
私が子どもの頃は、
「あ…今は話しかけないほうがいいのかな」
「あ…これは甘えていいのかな」
そんなふうに、
親の顔色を見て発言するのが
当たり前だと思ってました。
──誰に言われたわけじゃないのに、
よく考えたら、変ですよね。
ただ、ともかく。
言いたいことがあっても、我慢して、
欲しいものがあっても、
「お母さんが困るかな」と先回りして遠慮する。
そうやって、
「いい子であること」
「人から評価される自分でいること」が
いつの間にか、絶対的な正解になっていたんです。
そういえば、
小学生のころ、
学校から配られる「推薦図書」の黄色い注文用封筒を見るたびに、
少し胸がギュッとしたっけ。
本当は、何冊も読みたかった。
でも
「お母さんにお金の心配をさせたくない」って思って、
毎回、本当に一冊だけ選んでいたんです。
ところが、息子はまるで違いました。
怒っても、脅しても。
人にどう思われても、
自分の振る舞いを変えない子でした。
私は毎日、
「どうしたらこの子に空気を読ませられるんだろう」
と考えながら、途方に暮れていました。
でも、そんな息子を見ているうちに、
ふと気づいたことがありました。
「あれ? 私、親の顔色を見ないと“お母さんに嫌われる”って思ってたかも」
「でも私は、息子を嫌いにならなかったな…」
って。
幼い頃は、頑固さに手を焼いた息子も、
成長するにつれて、少しずつ、少しずつ、
無理に自分をねじ曲げなくても、
世界と折り合いをつけられるようになっていきました。
そんな息子と一緒に過ごす中で、
「私も人の顔色を見て、先回りして役に立とうとしなくても
よかったのかもしれない」
って、
思えるようになっていったんです。
今でももちろん、
「役に立たなきゃ」
「期待に応えなきゃ」
そんな癖は、顔を出します。
でもそのせいで、
本当は相手と対等でいたいのに、
いつの間にか私だけが一方的に責任を背負いすぎて
相手と対等になれなくなってしまう「癖」にも、
気づき始めています。
私が誰かに与えて喜ばれたいように、
もしかしたら相手も、私に与えて、喜ばせたいと
思ってくれているのかもしれない。
これからは、
一方的に与えてすり減る関係じゃなくて。
与えたり、与えられたりしながら、
愛し、愛される関係でいたい。
空気が読めなかったからこそ、
息子は、
私がずっと信じてきた「正解」を
そっと疑うきっかけをくれました。
私は、
人の役に立つから、
愛されているわけじゃない。
そう信じることを、
今日も少しずつ、練習しています。


ここまでの文章が、
あなたの心のどこかをそっと撫でられていたら…
それはとても嬉しいことです。
私もかつて、
余裕がない自分を
責めてばかりいた時期がありました。
でも──
何かを頑張らなくても、
心をほんの少しゆるめるだけで、
繰り返しのようだった毎日が、
ある日ふと、
「あれ?」と違って見えることもあるんですよね。
心がしんどかったとき、
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